2018/07/15

PRIMAL FEAR 「Black Sun」

220px-BlackSunPF.jpg ★★ GER盤

独産パワーメタルバンドの4thアルバム。

前作「Nuclear Fire」でバンドの認知が一段上へと着実に登りつつ、今作で世界的認知が決定的になったんじゃなかろうか?

セールス的なことはさっぱりわかりませんが、今作を携えたツアーでは、HALFORDと一緒にMetal Gods Tourなるものを北米でサーキットしている。

っていうことは、ラルフ・シーパース(Vo) が単なるロブ・ハルフォードのモノマネではなく、メタル継承者として本家から認められたということだ。そんなに大袈裟なことではないと思いますが、やってる本人たちは歓喜したに違いありません。

2017年に発表されたライブアルバム「Angels of Mercy」でもスタートの合図として使われた①Countdown to insanityで幕を開ける今作はコンセプト作だそうです。

前作でJUDAS PRIESTへのオマージュを散々に見せつけただけに、今作でそんなことをする必要はまったくなく、正統派ドイツパワーのオリジナリティが保たれている好作だと思います。

ただなんとなくですが、コンセプトであることに縛られてしまって、アルバムのまとまり感を保つためにメロディアスであることに注意を払い過ぎているような節が見受けられます。幾分ですが、バラエティさの振り幅もあるだけに、コンセプトにこだわる必要もなかったのかなって気がします。だから、前作よりは迫力に欠けるのよね。

②Black sun から④Lightyears from homeまでメロスピ的な曲が続き、⑤Revolutionでは、このバンド特有のACCEPTとJUDAS PRIESTを足して二で割ったようなパワーソングがやってきます。そして、スラッシーでもある⑥Fearなんかの流れは前作でもあったよね、HALFORDのマイク・クラシアクがゲスト参加してるそうです。⑨Mind machineはHALFORDのアルバムに入ってても違和感のない曲で、コンセプト性を持った今作中では逆に違和感がないだろうか?これ単体だと、すんげぇカッコいいHMソングなんだけどね。ミドルテンポの⑩Silenceなんて、メロディアスソングの最たるものでしょう。妖しい雰囲気を醸しだす⑪We go down は曲構成がっていうんじゃなくて、唄い方がロブ流でプリースト直系ソング。コンセプト作だから最後⑬Controlled はメロウに終わるのかなって思いましたが、ゴリゴリの硬質メタルで疾走昇天します、結局、何がしたかったんだろうな?ってならない?




2018/07/01

PRIMAL FEAR 「Nuclear Fire」

220px-Pfnuclearfire.jpg ★★ JP盤

ドイツ産パワーメタルバンドの3rdアルバム。

世間一般では、今作で一皮むけて一級バンドとして脱皮した出世作とされるアルバムである。

前作「Jaws of Death」からメンバーチェンジが行われ、SINNERではマット・シナー(B) の相棒であるはずのトム・ナウマンが解雇され、元THUNDERHEADでSINNERの2000年作「The End of Sanctuary」でギターをプレイしていたヘニー・ウォルター(G)がセカンドギタリストとして迎えられた。

で、その後、SINNERの2003年作「There will be Execution」では、ヘニートムがダブルギタリストとして一緒にアルバム制作に携わっているんだから、メタルの常識ってもんはわからんことだらけだ。

ところで、マットは、SINNERとPRIMAL FEARのどっちがやりたいんだ?ってならない?どっちもやりたいんだな、きっと。

ライナーノーツを読む限り、PRIMAL FEARは近所通しのバンド仲間であり、SINNERは遠距離づきあいが許されるバンドメンバーの構成っていう住み分けみたいなもんが存在するらしい。第三者からしてみれば、ちょっとわかりづらい住み分けだよね。

デビュー作からメロディアスでありながらもACCEPT寄りの鋼鉄魂を見せつけていたこのバンド。ラルフ・シーパース(Vo) の歌唱がロブ・ハルフォードのそっくりさんと揶揄されることもあったことから、JUDAS PRIESTを崇拝しつつも楽曲をわざと似ないようにしていたようにも思っていたが、今作ではもう吹っ切れたのかな?プリースト大好きーーーってな感じで、まるで「Painkiller」か!!ってな具合にオマージュしまくっている。

うん、これでいいんだ。あんたたちこそメタルゴッドの後継者になりうる存在なんだから。この意気込みは買ってあげようよ。

①Angel in blackのドラムインからもう、「Painkiller」で衝撃を受けたあのドラムを思い出させてぶったまげること間違いなし、ここまでやるか?って、それでもコーラスはドイツっぽいよね。②Kiss of deathも「Painkiller」にあったよね?聴けばすぐわかるので曲名は内緒。③Back from hell でのハイトーンヴォイスだってロブを意識してるんだろうな、きっと。④Now or neverのミドルテンポ曲でちょっと一息、前作からの流れを引き継ぐようなメロディアスな歌メロとギターソロに感動。⑤Fight the fire にはどことなくスラッシーな要素もあって、ハッとします。⑥Eye of an eagleはACCEPTっぽさ全開っていうか、まんまACCEPT。⑦Bleed for me、ここへ来てギターのアルペジオでしっとり聴かせるバラードタイプの曲が鎮座します。⑧Nuclear fire は、ジャーマンメタル印ソング、HELLOWEENそっくりって言わないでね、ドイツ人の遺伝子にはこういうフレイヴァ―がどこかしこに組み込まれているはずなんだから。⑨Red rain からは、ちょっと驚きみたいなものがなくなってきて失速気味だな。最後⑫Living for metal のそのまんまのタイトルから締めを期待したが、アルバム前半の勢いを引き継げてないな、それでもメタルゴッド愛が漲る正統派パワーソングとなってます。
⑬Out in the fieldsGARY MOOREのカヴァー。

間違いなく硬質さが増した鋼鉄魂がここにあると思います。買い損は絶対ありません!!







2018/06/24

LAST IN LINE 「Heavy Crown」

lastilhcrown.jpg ★★ JP盤

DIOの遺志を継ぐバンドのデビューアルバム。

バンドメンバーは、THE OFFSPRINGやLYNCH MOBに顔を出すなどしていたアンドリュー・フリーマン(Vo)、DEF LEPPARDのヴィヴィアン・キャンベル(G)、元RAINBOWなど名うてのジミー・ベイン(B)、元BLACK SABBATHのヴィニー・アピス(Drs)

要するにだ。DIO黄金時代のバンドメンバーがロニー・ディオの死後にノスタルジーに浸るために集まったバンドであって、中でも、ヴィヴが自身が在籍するバンドではギターがガンガンに弾けないので、昔のようにメタルギターを弾きたいという強い想いがあったようだ。

当初は、ライブで昔の名作をアンドリューとなぞるだけだったみたいだが、ライブが好評を博し、バンドのケミストリーが確認された段階で、新作を、という話になったんでしょうが、今作発表前にはLOUD PARK 13でBABYMETALと同じステージに立ってるんだな。

で、蓋を開けてみると、ぜんぜんメタル度は低い。むしろ、ブルージーだったりする。オイオイ...。

CDの帯には、【ロニー・ジェイムズ・ディオの魂に捧げる鎮魂歌!】って書いてあるからDIO黄金時代のドラマチックメタルを期待したんだけどね。ちなみに、アンドリューって、どちらかというと、トニー・マーティンっぽくない?そんなことない?
まあ、彼らにしてみれば、ライブで散々黄金時代の名曲をやり尽くすんだろうから、新曲までDIOっぽくしなくていいじゃん、って感じなのかな。

でも、これでDIOの遺志を継いでいると言えるのかい?ヴィヴが言う弾きまくりたいっていうのは、情感込めたプレイってことだったの?
ヴィヴ自身、「Holy Diver」に入っていてもおかしくない曲が多いよ、って言ってるが、本当かいな...。

全体的な印象は上述の通りなんですけど、リズム隊はすんごくメタルしてます。ジミーのベース音がぶっとくてデカいことデカいこと、今作がジミーの遺作になってしまうなんて、悲しい限りです。
ヴィヴのギターソロで聴かせるド派手なプレイも実に若々しいもので、80年代の臭いがプンプンしてきます。

やっぱ、キーボード奏者が参加するであろう次作も期待しましょうかい。

① Devil in Me
② Martyr
③ Starmaker
④ Burn This House Down
⑤ I am Revolution
⑥ Blame It on Me
⑦ In Flames
⑧ Already Dead
⑨ Curse the Day
⑩ Orange Glow
⑪ Heavy Crown
⑫ The Sickness
⑬ Heavy Crown (Acoustic Remix)





2018/06/13

HEAVEN & HELL 「The Devil You Know」

The_Devil_You_Know_cover.jpg ★★ US盤

ロニー期BLACK SABBATHのリユニオン第二弾になるんだろうな、きっと。

前作「Dehumanizer」では、過去の様式美だったころを知っている輩たちの大いなる期待を裏切り、根っからのファンからは大不評を買った。
それから17年の歳月を経ての再リユニオンがこれだ。

世間評としては、概ね良好な反応を得られていたわけだが、RAINBOWとの合体という大昔の理想郷を夢見たら肩透かしを食らうので、何も期待せずに聴くことをお勧めする。

考えてもみなさい、バンド名を冠した名盤が出たのは29年も遡らなければならない。
30年という月日でロニー・ディオ(Vo)トニー・アイオミ(G)だって多様な歴史を刻んできているし、メタルを取り巻く環境も天地がひっくりかえるくらい変わっているわけで、30年近くも前の同じことをやる土壌なんてそもそもないっていうもんだ。

でも、一縷の期待をしていた変化についていけないメタラーは実はおっさんのことだったりするわけで...。だって、メンツを見れば、少しでも期待しちゃうじゃん。

2007年に「BLACK SABBATH: THE DIO YEARS」というベスト盤をリリースしてツアーに出るわけだが、そのベストには3曲の新曲が含まれていた。
そして、ツアーでも新曲が披露されて、2曲がライブ盤「Live ! Radio City Music Hall」にも収録されている。
それらの新曲を聴けば、自ずと今作の方向性が見えてくる。

うねりの中にズッシリとしたヘヴィネスが渦巻くこの世界。ディオよりオジー・オズボーンの方が適任じゃないかって思うかもしれない。
でも、ディオの歌唱が見事なんですよ。すんげぇ、がんばってんのよ。

この再リユニオンをする直前のディオって、「Holy Diver Live」ですっかりお爺さんになりつつある持久力のなさそうな歌唱を披露していたのに、この切れない伸びる餅のようなネッチネチの歌唱は、御大の意気込みを感じるのに充分なんです。
まさか、これが自分の遺作になるなんて想ってもないはずなのに。鬼神のごとくって形容詞がもろ当てはまる。
様式系でないのが残念ですね。

で、「Dehumanizer」の延長線になったのは一体誰のせいなんでしょう?

アイオミがこのプロジェクトに入る直前にグレン・ヒューズボブ・マーレットとやっていた「Fused」を聴いたことないし、ギーザー・バトラー(B)がGZRでやってたことも聴いたことないしで誰の影響かさっぱりわかりません。

HEAVEN & HELLっていうバンド名にしたわりには、過去の焼き直しはまったく興味なかったんでしょうね。
それだったら、DEHUMANIZERっていうバンド名にすりゃ良かったじゃーーーーん。
でも、おっさんはけっこう気に入ってたりします。

① Atom and Evil
② Fear
③ Bible Black
④ Double the Pain
⑤ Rock and Roll Angel
⑥ The Turn of the Screw
⑦ Eating the Cannibals
⑧ Follow the Tears
⑨ Neverwhere
⑩ Breaking into Heaven
2018/06/02

BLACK SABBATH 「Mob Rules」

220px-SabbathMob.jpg ★★★★ 10 Deluxe Ed. EU盤

英国HMバンドの10thアルバム。

サバスとRAINBOW奇跡の合体2作目。
ここからビル・ワードが抜けて、ドラムはヴィニー・アピス(Drs)となっている。

ヴィニーカーマイン・アピスの弟で、それまでリック・デリンジャーと行動を共にし、直前にはAXISという誰も知らないバンドに在籍していた。
身内の七光りみたいなものがあったかどうかは知らないが、大抜擢と言えるだろう。

前作「Heaven and Hell」でサバス型様式美の名盤を創り上げての2作目ということになるが、これまた遜色のない名盤を創り上げることになる。
ひょっとしたら、前作よりアルバムとしての完成度は上のような気がします。

ロニー・ディオ(Vo)がRAINBOWでやっていたことをサバスという組織の中にうまく融合させることに成功しているところが歴史的偉業として未来永劫語り継がれるであろう。

重苦しさの中に光り輝く美旋律の渦に身を任せることのできるHMを産み出すことのできるバンドがこれをもって終わってしまうなんて何とも勿体ない限りだ。
時代が進めば、出戻りやリユニオンという形で再生を果たすのはどのバンドにも起こりうることだが、続けて3作、4作と歴史を築いていってほしかったと悔やまれる逸品だろう。

D1
① Turn Up the Night
② Voodoo
③ The Sign of the Southern Cross
④ E5150
⑤ The Mob Rules
⑥ Country Girl
⑦ Slipping Away
⑧ Falling Off the Edge of the World
⑨ Over and Over
⑩ Die Young (Live)
⑪ The Mob Rules (Demo)

そして、リマスターDeluxe Ed.には、1981/12/31から1982/01/02までの3日間にハマースミスで行われたライブがカップリングされる。
Live Evil」に満足していないおっさんとしては、是が非でも買い直さなければなりませんでした。

D2
① E5150
② Neon Knights
③ N.I.B.
④ Children of the Sea
⑤ Country Girl
⑥ Black Sabbath
⑦ War Pigs
⑧ Slipping Away
⑨ Iron Man
⑩ The Mob Rules
⑪ Heaven and Hell
⑫ Paranoid
⑬ Voodoo
⑭ Children of the Grave