2018/04/01

SCORPIONS 「In Trance」

In_Trance_(Scorpions_album_-_cover_art).jpg ★★ 90リマスターUS盤

独産HRバンドの3rdアルバム。

キショいプログレバンドとしてデビューしてから2nd「Fly to the Rainbow」で美麗なHRバンドとして活路を見出したバンドがどこに進むんだってことだが、今作からプロデューサーにディーター・ダークスを起用して名作をどんどん産んでいくこととなる。

ディーターがエンジニアとしてクレジットされるのは69年に遡るので、SCORPIONSと仕事をして一躍名前を売ったことに間違いはないんだろうが、以前から多くの仕事をこなしていた生粋のエンジニアだったということだ。

前作ではまだ長尺の曲があって、曲構成に拘るような場面もあったが、こっからはHR野郎バリバリになっていくんだな。

特に、前作より加入したウリ・ロート(G) ひとりのペンによる曲なんかは前作の中では妖しさ満点で、そういう意味では前衛的なバンドっぽさもあったような気がします。今回からは、マイケル・シェンカーの関与がなくなったことにもよるんでしょうが、ウリ単独作ソングが4曲もある。

美旋律の神マイケルが抜け、ギター仙人ウリが乗っ取ったこのバンド、うーん、どんな感じになるんでしょう?

さあ、早速聴いてみよう。

妖しい雷鳴のようなSEから狂ったギター音が劈く①Dark lady、そんな中にもダブルギターで美しいメロディを奏でるあたりはいかにもドイツっぽい、唄うのはウリ仙人なんだが、そこはしっかりHRしてる、この1曲でノックアウトされなかったら、このバンドにはきっとついていけません。対局をなす美しさを誇る②In tranceクラウス・マイネ(Vo) の美声にうっとりするしかないでしょ、セルフハーモニーでも堪能してくださいよ。③Life's like a riverコリナ・フォートマンという人のクレジットがあるが、この人はディータ―の奥さんだそうです、ただ、作詞なのか作曲なのか何に関わってるのかは知りません。④Top of the bill の狂気じみた唄いっぷりには度肝を抜かれること間違いなし、そりゃ、のどを痛めるのも無理はないでしょうに。⑦Evening windウリ仙人の真骨頂、クラウスの歌に負けじとギターでも唄ってます。今作2曲目のウリがリードヴォーカルを取る⑧Sun in my hand は前作の“Drifting sun”路線って言ってもいいのかな?だって、ジミヘン好きの仙人だってことも忘れちゃいけませんぜ。UFO型HR⑨Longing for fireでのギタープレイなんかマイケルっぽいんだけど、まさか、ウリマイケルを意識したとも思えないし、このそっくり感はなんなんでしょ?⑩Night lightsウリ作の静か目なインストです。

うーん、まだどっちに振れたともはっきり言えないアルバムなのかな?




2018/03/03

OZZY OSBOURNE 「Live & Loud」

Live_and_loud.jpg ★★★★ JP盤

91-92年のワールドツアーで録音されたライブ盤。

メンバーは、ザック・ワイルド(G)マイク・アイネズ(B)ランディ・カスティロ(Drs)ケヴィン・ジョーンズ(Key) となっている。

これパッケージングが豪華っていうか、凝ってるんですよ。

オジー・オズボーン(Vo) にとっては、このツアーでさよならするっていう風聞があったんだけど、「Tribute」以来のコンプリート盤に近いオフィシャルライブ盤が久々に世に出るってことでスペシャル感もあったんだと思います。

写真からもわかるようにオジーの顔写真がジャケットの一面を飾り、それを覆うように、まるでオジーが檻に収監されているような感じでスチール製の網が被せられている。だから、超重い。なのに、ベースがデジパック仕様なもんで前面が重すぎてパッケージを開けたり閉めたりしてると、いつの間にか真ん中が切れてくるんだな、これが。

凝りすぎなものより、ごくごく普通のジュエルケース仕様をお買い求めすることをお勧めします。たぶん、初回限定盤だったのかな、もしかしたら、スチール檻仕様はプレミア価格になってるかも。

ライブ内容は文句なし。

オジーのベスト盤的なセットリストで、音質も申し分なく、臨場感もひしひしと伝わってきます。

どこで録音されたものかわからないが、ベストテイクをチョイスしてまとめたわりにはつながりもスムーズで興奮が途切れることはありません。

D1
① Intro
 これが感動的。会場では、巨大スクリーンに過去の画像が映し出され過去の名曲とともにプロローグ的に流されてます。
② Paranoid
③ I Don't Want to Change the World
④ Desire
⑤ Mr. Crowley
⑥ I Don't Know
⑦ Road to Nowhere
⑧ Flying High Again
⑨ Guitar Solo
⑩ Suicide Solution
⑪ Goodbye to Romance

D2
① Shot in the Dark
② No More Tears
③ Miracle Man
④ Drum Solo
⑤ War Pigs
⑥ Bark at the Moon
⑦ Mama, I'm Coming Home
⑧ Crazy Train
⑨ Black Sabbath
⑩ Changes


たしか、ツアーの最終日だったと思うんだが、引退の花道を添えるようにオリジナルサバスが一堂に会してD2-⑨をプレイするという大事件が起こったはずです。

同時期にアメリカツアー中だった第二期サバスがオジーの西海岸公演に合流するという形をとったんだが、オジーの前座は嫌だということでロニー・ディオが離脱し、JUDAS PRIESTロブ・ハルフォードが急遽呼び出されて第二期サバスの代役フロントマンとなっちゃって(2日間限定?)、最後の最後でお騒がせビル・ワードを擁したオリジナルサバスがD2-⑨を含む4曲をプレイして伝説を残したっていう大事件でした。

このことがオジーの引退宣言を撤回させ、紆余曲折あったものの、オリジナルサバスのリユニオンへとひた走っていくこととなります。

DVDもあるみたいですが、そっちはライブ映像というよりは、イメージビデオ風に作られてるそうで、評判悪いみたいですよ。
2018/02/25

OZZY OSBOURNE 「No More Tears」

220px-Ozzy_Osbourne_-_No_More_Tears.jpg ★★ JP盤

HMの帝王による6thアルバム。

オジー・オズボーン(Vo) の音楽に出会ったのは、高校1年の時の文化祭での出来事である。クラスメイトがバンドで“Crazy train”を演奏していたことが実はきっかけだったりします。

高校生バンドは当然へったくそだったんだけど、自分の中で何かを感じたんでしょう、さっそくベスト盤を購入してから過去に遡っていくわけだが、リアルタイムでオジーに触れたのは、そんなこんなでこのアルバムからだったんだな。遅いでしょ?

こんときに話題になったのは、何といってもオーディションに合格してメンバーとなったマイク・アイネズ(B) が参加するということだった。メタルかじり虫だったおっさんは、何をそんなに騒いでいるのかさっぱりわからなかったんですけどね。
マイクがオジーバンドに参加後、ALICE IN CHAINSのメンバーとして活躍するのは周知の事実でしょう。要するに、グルーヴィーな若手有望株ベーシストがアルバムに参加で凄いよ、ってことだったんでしょ?

基本的にはボブ・デイズリー(B) がメイン・ベーシストとして録音していたらしいが、数曲でマイクのプレイが聴けるはず。っていうのも、誰がプレイしてるかのクレジットがないので、BURRN! のインタビューでもオジーに問いただしてたんだけど、オジーも教えてくれない、っていうか忘れてるかスタジオで一緒じゃなかったんじゃないかな?オジーファンならボブのプレイは熟知してるはずだから聴きゃわかるだろってな回答だったんだが、わかんねぇから聞いてんでしょってね。

実際のところ、マイクは曲作りのアイデアは出したみたいだが、録音には参加してないっていう噂もある。もう、本人たちに聞かなきゃわからんね。

前作「No Rest for the Wicked」は徹頭徹尾HMだったが、今作は適度にHeavy、適度にソフト路線といったところか?MTVを意識したかのような大衆に受け入れやすいキャッチ―な曲も多い。

MOTORHEADレミー・キルミスターが4曲(②③④⑦)で共作していることを考えると、ヘヴィロックンロール路線かと思えば、けっこうムーディーな曲を作ってるんで驚きます。

① Mr. Tinkertrain
② I Don't Want to Change the World
③ Mama, I'm Coming Home
④ Desire
⑤ No More Tears
⑥ S.I.N.
⑦ Hellraiser
⑧ Time After Time
⑨ Zombie Stomp
⑩ A.V.H.
⑪ Road to Nowhere
⑫ Don't Blame Me
⑬ Party with the Animals


で、このアルバムを最後に音楽業界から身を引きますってなニュアンスの戯言を放言して“No More Tours”と題されたワールドツアーに出ていくわけだが、隠居生活に入った後のリアリティ番組で全世界のお茶の間のおバカ家族ですっかり有名になって気を良くしたのかカムバックするわけよ。そりゃ、資本主義の方程式からすれば、大金を産むアイコンをミスミス引退させるわけにはいかんぜよ、ってことでしょ。今作発表時点のオジーは43歳。アルコール&ドラッグにまみれた人生を送ってたとしてもまだ若いでしょ。周囲からすりゃ、まだまだイケるって思うよな。

この記事を書いている時点で、またもオジーからフェアウェルツアー“No More Tours 2”の告知がもたらされた。

BLACK SABBATHの最後のワールドツアーを終えたオジーは、自身のバンドのラストワールドツアーを敢行することを発表した。今、オジーは御年69歳。うん、もう引退してもいいよね。“No More Tours 3”は絶対なさそうだし、ましてや2010年発表の「Scream」以来、音沙汰のない最新スタジオ作なんかありそうもなさそうですね。







2018/02/14

JUDAS PRIEST 「Turbo」

220px-Judas_Priest_Turbo.jpg  01リマスターJP盤

英国HMバンドの10thアルバム。

完全に後追いです、っていうか、周りの評判に従う形で持つ必要のないアルバムとつい最近まで理解していたアルバムであって、本来なら語る資格もない。

シンセサイズドギターを大胆に取入れて、こんなのプリーストじゃないっていうあの評判のやつね。

でも、「Priest... Live!」で聴くことのできる今作収録の曲たちって、曲としてはぜんぜん悪くないっていうのは昔からおっさんが抱いていた紛れもない事実であったりするわけで、ちょっとオリジナルを聴いてみたくなったから買ったというのがきっかけなんだな。

で、やっぱ思い入れもないわけで、書くべきネタが何もないのも事実だ。

えーいっ、こうなったら他人様の記事をパクっちゃうかっ!!

日ごろから親身にコメントをくださり、私にとってはネット世界における恩師のような存在で、また、新譜や旧譜を買うにあたり必ず参考にする神サイトを運営なさっている某音楽○○様が今作についての記事をお書きになっているので、無許可ですが、リンクを貼らさせていただきます。某音さん、ごめんなさい。

今作の感想はこちらをお読みください⇒The emptydancehall 様

はい、これで終わり、ってこれじゃ盗作じゃん。

今作制作当初は、ダブルアルバムとする予定だったそうで、曲もたくさん書き上げられていたようだ。
だから、旧譜群のリマスター時にそこかしこに今作のアウトテイクがボーナストラックとして散りばめられていたり、次作「Ram it Down」に回された曲やベスト盤で日の目を見る曲や未だにお蔵入りの曲もあるみたいだ。

問題作なのかもしれんが、制作サイドとしては、相当気合が入っていたに違いありません。

狙い通りだったかどうかはわからないが、今作の売り上げは好調だったみたいだし、チャートの伸びがいまひとつだったとしても、何をもって問題作とされるのかがいまひとつわからない現象だよね。
でも、当時のBURRN!誌での酒井康氏によるレビューでは、94点という高得点が点いてたってのはご存知でした?

ディスコ音楽のような音、これがシンセギターか、ドラムも打ち込みじゃねぇだろなって具合な音の①Turbo loverが初っ端に始まるわけなんだが、大仰よりな雰囲気にキャッチ―なコーラスなど曲自体は紛れもないプリーストだよね。うへぇー、シンセ音そのもののギターがギュイーンじゃないな、フゥイ~ンって唸って腰砕けちゃう②Locked in、若かりし自分ならこれ聴いてストップボタン押しちゃうだろうなぁ、メタルゴッドはどこ行った?パワーコードでリフをつくる③Private propertyの拳を握って天高く突き上げることのできる勇壮さにホッとすることしきり。④Parental guidance⑤Rock you all around the world の親しみやすさなんて、のちにプリーストアンセムソングになっても良かったのにね、21世紀のライブで取り上げても盛り上がりそうな曲だけど。大仰に始まる⑥Out in the cold がツアーでの1曲目になるのがよーくわかります、もう、音云々の話は忘れて今作の虜になってても不思議ではないパワーソングだ。⑦Wild nights, hot & crazy daysはバブリー時代を象徴するアリーナロックだね、カッコいいよ。⑩All fired upはアウトテイク。⑪Locked in は86/05/23、セントルイスでのライブ、ってことは30周年ボーナスのライブはこの前日のカンザスシティでのライブだから別テイクだね。

うーん、そうね、やっぱ今作を持ってなくてもライブ盤で収録曲を聴いときゃいいのかな?って言ったら、怒られるかな?
2018/02/03

JUDAS PRIEST 「British Steel」

220px-Judas_Priest_British_Steel.jpg ★★★ 01リマスターUS盤

英国HMバンドの6thアルバム。

今作よりドラマーは、TRAPEZEでグレン・ヒューズメル・ギャレーと活動を共にしていたデイヴ・ホランド(Drs) となる。

プロデューサーはバンドと共に有名になったと言ってもいいトム・アロムだが、この前に出したライブ盤「Priest in the East」でも起用されていたわけなんですけど、スタジオ盤での共同作業は今作からとなっている。

2009年にはこのアルバムの30周年を祝して、アルバム再現ツアーをしているので、バンドにとっても今作はマスターピース的な位置づけにされているものと思われます。

80年代の始まりとともに時代はNWOBHMムーヴメント真っ盛り。それを目の当たりにしたヴェテランバンドたちがどういう想いであったかは知る由もないが、きっと大いに刺激を受けたに違いない。
テメェら、なめんなよ、とばかりに②Metal godsなるタイトルの曲をぶちかましてくるあたり、相当意識してたんじゃないだろうか?

今作から続くトムとの蜜月からもわかる通り、音作りにおいても相当こだわったことが伺えるエッジの効いたHM然りとしたメタル権化が何たるかって意気込みがヒシヒシと伝わってくる。それは、アルバムジャケットを見ればわかる通りに、そのまんまの音が詰め込まれた名盤だ。

これがプリーストからのマニュフェストだ。黙って耳をかっぽじって聴くべし。


パワーコードをユニゾンで繰り出すリズムで突き進む①Rapid fire が1曲目を飾るが、序章的なものは何もない、初っ端から黙って鋼鉄魂に身を委ねるしかないのだ。そして、②ときたもんだ、鉄鉱精製所にでもいるかのような金属的な重苦しさに身をよじれ。キャッチ―な歌メロで耳になじみやすい③Breaking the lawはコーラスを低音で地味にやってくれているので甘ったるいポップンロールにならずに済んでいるとでもいえようか、メタルアンセムです。メタル純度100%の④Grinder、こういう曲がのちにACCEPTのような鋼鉄HMバンドたちにインスパイアされることになったんじゃないんかなぁ?⑤Unitedで聴ける雄大なコーラスもパワーメタルのヒントになってないか?⑦Living after midnight は急に軽い音作り、そうは言ってもアルバムの雰囲気をぶち壊しているものではないのでご安心を。神秘的とも言えるベースに先導されてリズムが構築されていく⑧The rage、悦に入ったロブ・ハルフォード(Vo)の歌唱をご堪能あれ。
⑩Red, white & blueはリマスターボーナスで、「Turbo」セッションでのアウトテイク、今作に入れちゃうのぉぅ?どこぞの国歌みたいな感じだね。⑪Grinderもボーナスで、84年ロングビーチでのライブ。